六つの小ことば | 六つの小ことば | 12
(1-32)

かつて、ある二人の兵士が遠い町へ向かうよう命令を受け一緒に出発した。しばらくして、その道が二つに別れた。ある賢者がそこにいて、彼らにこう言った。「この右の道は危険性がなく、旅人の9割は大きな利益を得、旅も楽である。左の道なら利益どころか危険があり、9割の旅人は被害を受ける。両方の道は同じ距離である。しかしこの二つの道を進むにはそれぞれに違った条件がある。左の方は秩序がなく管理もされていないが荷物も武器もなしに行けるというったやすさがある。右の道は国の管理下にあるが、栄養のあるたくさんの食料をつめた、重さが20キロもある荷物をもち、また誰にでも勝てるかなり重い強力な武器を身に付けなければならない。」

その二人の兵士は、賢者の言葉を聞いた後、心が良い兵士は右に向かう。彼はかなり重い荷物を肩に乗せる。しかし同時に彼の心は、大変な不安と旅の恐怖をまぬがれる。心の悪い兵士は兵役を捨て、秩序に従いたくもなく左に向かう。彼の体は荷物の重さから解放されるが、道すがら心は耐えがたいほどの不安と、無限な恐怖の下でつぶれる。乞食になり、すべての出来事に対して慄く。そのうち目的地に到着するがそこでは、反逆者や逃亡者として罰せられる。

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