六つの小ことば | 六つの小ことば | 9
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するとこの男は良識を取り戻して後悔し、「私は飲んでいた酒のせいで正気を失っていた、ありがとう。私をそんなひどい状態から助けてくれたことでアッラーが君に喜び給うように」と言った。

おお我がネフス(魂)よ。前者は、不信仰者または邪悪な人を象徴することを理解しなさい。彼にとってこの世界は悲嘆を意味する。生き物は皆離別や消滅のせいで泣いている孤児を意味する。彼にとって人間と動物は死によって消滅させられる野蛮なものだ。海や山のような巨大な集合体は彼の目に、魂のない恐ろしい死体のように見える。このような苦悩や不安は不信仰や不義を原因とし彼に精神的な苦痛を与える。

しかしもう一方の男は信仰者である。彼は全能なるアッラー存在を信じ、断言する。彼の見方では、この世は人々がアッラーをたたえ、人類と動物の心身の鍛練の場、そして試験会場のようなものである。また人間と動物の死はこの世からの解放である。人生という役目を終えたものは次の役目のある者に場所を空け、働いてもらうためにこの短期間の現世から満足の気持ちで苦労のない来世へ行く。人間や動物の全ての誕生は軍隊に入ることや仕事にかかはることを意味する。全ての生き物は割り当てられた仕事に喜んでいる将校や公務員のようである。

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